札幌大不況
1990年(32歳)バブルが崩壊した1992年(34歳)。せっかちな私は、そろそろ底かと思い、買いに走りだします。
ドルコスト平均法、ナンピン買い下がり法と同様に、平均買い単価を下げる手法です。
実際は、まだまだ下がり、おまけに、1995年(37歳)の阪神淡路大震災。
底が抜け、「失われた20年」よろしく現在に至っているのですが。。。。。私は、東京、博多、札幌、名古屋、京都、小樽と買ってきましたが、札幌も好きな街です。
活断層が通ってなく地震・津波のリスクが低い、街が碁盤の目のように整備されている、「BRICs」(ブラジル・ロシア・インド・中国)の一つロシアに近い、自然の美味しい食べ物が満載(米、ラーメン、野菜(じゃが芋等)、蟹、牛乳等)、首都圏・関西圏・中部圏に続いて日本第4位の経済圏であり人口180万人の大都市である等です。
しかし、世界恐慌の中にあっても、札幌は、ひときわ、大不況です。
氷河期です。
北海道拓殖銀行倒産・マイカル倒産、「白い恋人」事件・雪印事件も、それに拍車をかけたことでしょう。
札幌では、東京の常識は通用しません。
とにかく寒い。
電気ストーブでは効かず、石油ストーブ等強力なものを設置しなければなりません。
光熱費もはんぱではありません。
積雪の場合の雪下ろし・雪かきも大変です。
建物も雪等の影響で痛み易い為、税務上の耐用年数は10年短くしているという噂も聞きました。(合法かどうかは知りません。)
礼金という制度もありません。
それどころか、「仲介手数料」とは別名目で「広告料」を取られます。
家賃1ケ月分、2ケ月分、3ケ月分と段々とエスカレートしていっております。
「広告料3ケ月分」等となれば、誰かを偽装入居させ、広告料3ケ月分せしめて、1ケ月分の家賃だけ払って退去という輩も出てくるかもしれません。
札幌は、家賃は二束三文なのに、管理費・修繕積立金、修理費・リフォーム費用は一緒。
というか、むしろ競争原理の激しい東京より高いです。
一旦修理・リフォームすれば、回収するのに、何年もかかります。
10年間で家賃半額、物件価格半額は当り前の世界です。
家賃下落年間5%は見込んでおいた方が無難でしょう。
表面利回り15%といっても、調達金利5%(金利上昇も想定)、家賃下落5%を見込めば、実質5%ということになるのです。
ここまで来ると、キャッシュフロー上も、割に合わない事例が多発するでしょう。
即ち、受取家賃から、出費である、管理費・修繕積立金、賃貸管理手数料、ローン、固定資産税・都市計画税等を差し引いた、手取り現金です。
キャッシュフロー赤字では、持ちこたえられなくなる人が多発することでしょう。
かといって、ローンを利用している場合には、資産価値、売却可能価格も下落していることでしょうから、ローン残高にも満たず、抵当権を抹消できず、任意売却物件、競売物件も多発することになるでしょう。
まさに、自然淘汰です。
バブル崩壊による家賃・資産価値下落、訴訟トラブル、不動産販売・建物賃貸管理会社倒産・家賃保証会社倒産、融資受け不能、故障・騒音トラブル・空き巣・滞納・夜逃げ・火災・水漏れ・自殺(首吊り)・長期空室・家賃値下げ等、リスク・デメリット・事件・事故・失敗のうちのほとんどを札幌で経験することができます。
目先の利回りだけに惑わされず、金利上昇、滞納、修繕費、空室、リフォーム費、広告料、家賃下落等余裕を持ったキャッシュフローが重要です。