「国家財政破綻の時はどうするか?」
日本が財政破綻した場合、具体的には、どういう動きで来るでしょうか。
預貯金については、目先は、ギリシアのように、皆が引き下ろそうと大行列となり、金融機関内の現金が底を尽き、1人1日いくら迄といった感じで引き下ろし制限がかかり、やがては、銀行閉鎖となるでしょう。
長い目で見れば、紙幣・国債の大増刷による目減り・ハイパーインフレで、相対的な価値は、どんどん減っていくでしょう。
やがて、国は、どさくさに紛れて、デノミネーション・新円切替をするかも知れません。
例えば、「○月○日迄に、旧円1万円札を金融機関に持って来た者には、新円千円札と交換する(10分の1のデノミネーション)。
それ以降は、旧円は無効とする。」
といった具合です。
これにより、現金(箪笥預金・アングラマネー等)は、表に出さざるを得なくなり、資産把握・強制拠出が可能となります。
又、デノミネーションによる借入金実質負担減も可能姉妹となります。
金融機関の預貯金だけでなく、貴金属商、証券会社等も、閉鎖となるかもしれません。
従って、ある程度、手元に実物資産等を置いておくのが無難かも知れません。
日本円は、相対的な価値が減少していく可能性が高いので、米ドル等の外貨がいいでしょう。
貴金属は、白金・金・銀等の地金・地金型コイン等がいいでしょう。
地金型コインとしては、アメリカ:イーグル、カナダ:メープル、オーストラリア:ナゲット、南アフリカ共和国:クルーガー、中国:パンダ等があります。
中国:パンダ等は、毎年図柄も変わり、発行枚数も少なく、収集用としても、人気があります。
できれば、多少割高にはなりますが、小分けできるように、小ロットにしておけば、いざというとき、使い勝手がいいかと思います。
貴金属商では、定額購入システム、スポット購入システムもありますが、貴金属商によっては、金額精算のみで貴金属現物化不可のものもありますので、注意しましょう。
又、国家破綻の際は、金融機関のように、閉鎖となり、預貯金(外貨含む)と同様、引き出し不可能になるリスクはあります。
戦時中に、貴金属のコインを持っていたおかげで、渡し船に乗ることができ、生き延びられたという話を聞いたことがあります。
株は、長い目で見れば、実物資産に近いとも言えますが、目先は、暴落し、又、国家破綻時は、金融機関のように、証券市場・証券会社も閉鎖となるリスクがあります。
昔と違って、株券という発想がありませんので、売買も不可能となります。
不動産も、長い目で見れば、実物資産なので、いいでしょうが、目先は、皆、金に困って、投げ売り。
借主の方も、金に困って、家賃も払えないでしょう。
この緊急時を凌げれば、お金に余裕があれば、バーゲンセールで二束三文で買っておけば、将来、復興した暁には、価値が増すでしょう。
西武グループ等の財閥も、大震災や戦争の後で、リヤカーに紙幣を乗せて、焼け野原の土地を二束三文で買い占めて、その後、財をなしたようです。
結論としては、当座を凌げるある程度の飲食物・防寒具等の生活物資、そして、現金を保有しておくことでしょう。
資産としては、米ドル等外貨の現金、貴金属(地金・地金型コイン)の現物等を保有しておくことです。
これらは、国にとっては把握しにくいですし、金融機関等が閉鎖されても大丈夫です。
そして、復興後まで見据えて、長い目で見れば、借入金(できれば長期・固定)を活用して、不動産を保有しておくことです。
ところで、第二次世界大戦頃のドイツでの話。
飲んだくれでグータラな兄と、倹約家で真面目な弟の兄弟がいたそうです。
やがて、敗戦で、ドイツは、ハイパーインフレに。
倹約家で真面目な弟の現金・預貯金は、紙切れになってしまい、一文無しに。
一方、飲んだくれでグータラな兄は、現金・預貯金はなく、あるのは、酒の空き瓶だけ。
しかし、この空き瓶は、現物資産であり、これを売って、生活できたとか。
こんなこともあるのですね。
【まとめ】
国家税制破綻の際は、飲食料・防寒具等の物資、米ドル等の外貨の現金、貴金属地金・地金型コイン等を、ある程度、備蓄しておくことです。
長期的に見れば、金利上昇には気を付けつつ、借入金を活用して、数に限りのある現物資産(不動産等)を保有しておけば、インフレのメリットを享受できます。
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