「ギリシアは対岸の火事?」


税金の取り漏れ・公務員の無駄遣い・粉飾決算等で財政破綻したギリシアですが、EU(ユーロ)加盟国等の支援も受けられず、IMFへの返済もできず、とうとう、2015年6月29日(月)、銀行閉鎖・証券市場閉鎖・債務不履行(デフォルト)に陥りました。

更には、中国のバブル崩壊もあってか、ヨーロッパ、日本、アメリカと、世界的に、株は大暴落、世界恐慌状態になりました。

しかし、ギリシアの問題は、日本にとっても、決して、「対岸の火事」ではないのです。

日本の負債は、ギリシアよりはるかに大きく、重傷ビーフアィターなのです。

日本は、毎年、収入が50兆円しかないのに、50兆円借金を積み重ねて、100兆円も無駄遣いをし、負債が1,200兆円にもなっています。

かたや、資産はと言えば、道路・橋、某A合衆国の国債等、売るに売れないものばかりです。

個人に例えると、毎年、収入が500万円しかないのに、500万円サラ金から借金を積み重ねて、1,000万円も無駄遣いをし、負債が1億2,000万円にもなっている状態です。

個人であれば、自己破産。

法人であれば、倒産母さん状態です。

ギリシア国債も、自己破産した人の借用書、倒産した会社の不渡り手形みたいなもので、買い手がつかず、金利を高くするべく、年利39%です。

但し、ギリシアと日本が違う点は、通貨です。

ギリシアはヨーロッパ共通のユーロという共通通貨であり、日本は円という日本単独の通貨です。

従って、ギリシャ単独で、ユーロの需給調整等を操作することはできません。

しかし、日本の場合は、日本の単独通貨なので、理論上は、いくらでも需給調整等を操作することは可能姉妹です。

例えば、理論上は、通貨供給量を10倍にすれば、貨幣価値は、相対的に10分の1になり、逆にいえば、物の価値は10倍になります。

特に、数に限りのある実物資産(貴金属・土地等)は、顕著でしょう。

ところで、日本でも、ギリシアのようになれば、どうなるでしょうか。

2012年末のアベノミクス以降、金融緩和・円安・インフレ目標もあって、紙幣・国債発行も増え、2倍になっているとのことです。

理論上は、相対的に、貨幣価値は半分、資産価値は倍ということになっても不思議はありません。

この流れは、更に加速するでしょう。

取り敢えず、国・日銀は、借金の負担を10分の1にするべく、円・国債の量を10倍にすると仮定崩壊しましょう。

やがて、1,200兆円の負債は、実質負担が10分の1の120兆円にまで目減りします。

120兆円となれば、年間の国家予算を少し超えた程度になりますので、極論すれば、1年間飲まず食わずで1円も使わずに耐えれば、なんとかなります。

(無理でしょうが。)

その代わり、信用を失った国債は、買う人がいなくなり、利回りを上げて買ってもらうしかなくなります。

実質価値が10分の1になるのであれば、理論上は、金利1,000%とか、元本が10倍にならなければペイしないこととなってしまいます。

お金は早く使わなければ、どんどん実質価値が減って、逆に物価は上昇していきますので、預貯金は早くおろして使おうという動きになります。

しかるに、金融機関は、集めた預貯金は、ほとんど融資貸出等運用に回しており、手元に置いているわけではありません。

金融機関には、預貯金をおろしたい人の行列ができ、お金も底をつき、パニックとなるでしょう。

金融機関閉鎖です。

円は大暴落です。

当座の現金が必要となるし、パニックもあって、株も大暴落です。

株式市場も閉鎖となるでしょう。

不動産も、当座の現金が必要となるし、パニックもあって、大暴落でしょう。

但し、長い目で見れば、落ち着けば、貴金属・土地・株等の実物資産の価値は、相対的に上がるでしょう。

長い目でみれば、借入金を活用して、不動産を買っておけば、相対的に、借入金の実質負担は目減りし、数に限りのある実物資産である不動産の価値は上がり、ダブルでメリットを享受できることとなります。

しかし、短期的には、金利が上昇するでしょうから、できれば、資金調達は、長期・固定金利が無難です。

やむを得ず、短期・変動金利の場合には、資金繰りに余裕を持たせておくことです。

いわゆる「25%ルール」(返済金額は、5年間で25%アップを上限とするもの)がありますので、最悪、5年毎に25%づつ返済金額がアップしても耐えられるようにしておく等です。

(尚、金利が25%超アップとなった場合には、未払い利息となり、借入金が減るどころか増えます。)

【まとめ】

インフレを想定した場合、借入金を活用して、数に限りのある実物資産(貴金属・不動産等)にしておくことが有効となります。

但し、目先、金利上昇の可能性があるので、資金調達は、できるだけ、長期・固定金利か、やむを得ず、短期・変動金利の場合は、資金繰りに余裕を持たせておくことです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

【加藤隆 講演情報】

  • 8月27日(土)(受付午前9:40~)10:00~12:00(㈱PIM

「現役サラリーマン大家 ≪加藤隆≫ 成功への道筋を解説!!」

https://www.kenbiya.com/seminar/t=K/17359peh/

  • 9月10日(土)(受付12:30~)13:00~静岡県沼津市スルガ銀行本店(㈱Kellybucks)(未公開)

http://zengin.ajtw.net/dbs6.php?abg=0150&abs=640

http://www.kellybucks.co.jp/

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【加藤隆コラム情報】

  • 健美家コラム『不動産投資で地獄を見た人の怖い話』

http://www.kenbiya.com/column/katota

  • マイナビ

http://chintai.mynavi.jp/chintaikeiei/superooya/detail_29.html

  • グランシャス㈱お役立ちコラム「現役最古参のサラリーマン大家の先輩コラム」

http://toushi.grancieux.co.jp/authers/auther-3

  • 住まいる!投資コラム

http://www.smile-invest.jp/columns

  • 加藤隆オフィシャルサイト

http://kt-taka.net/



このページの先頭へ