「リスク分散」


講演等で、「リスク対策で、最も気を付けていることは何ですか?」と御質問を御受けすることが多いのですが、一言で言えば、「リスク分散」と、御答えさせて頂いています。

「リスク分散」と一言で言っていますが、あらゆる点における「リスク分散」です。

まず、第一に、時期の分散です。

これは、外国為替・貴金属等における「ドルコスト平均法」、株における「ナンピン買い下がり」と同じ発想です。

つまり、安い時期には多く、高い時期には少なく買う等、コンスタントにほぼ定額を投資することにより、平均買い単価を下げる手法です。

不動産というものは、割安な時期には、まだ下がると思って、勇気も出ませんし、買い時期を逸してしまいがちです。

又、融資受けも厳しいものです。

片や、割高な時期には、今は割高だし、下がるまで待とうと思って、これまた、買い時期を逸してしまいがちです。

融資受けは比較的受け易いのでしょうが。

不動産の場合は、外国為替・貴金属・株のように決まった価格・相場があるわけではありません。

又、株のようにインサイダーといった発想があるわけではありません。

言わば、「相対取引」であり、売主・買主の個別事情等により、割安で買えたり(相続絡み・資金繰り逼迫等で売り急ぎ等)、割高で売れたり(自己居住用等)といったこともあり得るわけです。

従って、経済情勢・金融機関情勢等によって、ある程度、買い時・売り時・静観時といったことはあるでしょうが、常にアンテナを張り巡らしておけば、いい情報に巡り合えることもあるはずです。

第二に、資産運用対象の分散です。

預貯金、外国為替、貴金属、株、不動産等です。

それぞれ、一長一短ありますし、自分・家族の性格・ポリシー・財務内容・収支・資金繰り状況等にもよりますので、自分で判断することです。

第三に、不動産会社(設計・施行・販売・仲介・管理会社)の分散です。

できれば、各エリアに、複数の信頼できる不動産会社を確保しておくといいです。

見積もりを比較したり、サービスを比較したりと、いい意味で比較し、ライバル心を持たせることが可能姉妹です。

又、不動産会社が家賃滞納・夜逃げ・倒産母さん等万一の際には、管理会社変更も比較的スムーズに行きます。

第四に、金融機関の分散です。

その時々の経済・金融情勢によって、融資方針(融資可否、融資金額、融資割合、融資期間、金利、融資対象不動産等)が変わってきますので、お付き合いする金融機関は、ある程度、集約しつつも、ある程度、色々な所とお付き合いしておいた方がいいかと思います。

融資受けの際、複数の金融機関に当たり、融資条件(融資金額・割合・期間・金利等)で選択することも可能です。

又、その後、金利引き下げ交渉・借り換え交渉・共同担保解除交渉等もし易くなります。

金融機関としては、国・地方公共団体、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、外資系銀行、メーカー系銀行、生命保険会社、ノンバンク、カード会社等、多岐にわたり、それぞれ、一長一短あります。

第五に、エリアの分散です。

グローバルには、日本以外の海外をも視野に入れる場合もあります。

日本の場合、例えば、私の様に、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽と、各都市といった感じです。

もっとミクロで言えば、路線・駅毎でしょう。

特に、日本の場合、地震(火災・建物倒壊・津波・原子力発電所爆発・放射能漏洩等)・火山爆発・台風等の自然災害リスク、経済破綻等のリスクも高いので、エリア分散というのは、効果的と思います。

第六に、物件タイプの分散です。

工法で言えば、木造、鉄骨造り(S)、鉄筋コンクリート造り(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート造り(SRC)です。

物件種別で言えば、区分所有マンション、一戸建て、一棟アパート、一棟マンション、一棟ビル等です。

間取りで言えば、ワンルーム(IR)、ファミリー等です。

用途別で言えば、居住用(レジデンス)、商業用、倉庫、駐車場等です。

第七に、資金調達方法の分散です。

リコーズ(遡及)型・ノンリコース(不遡及)型、固定金利・変動金利、元利均等返済・元金均等返済等です。

これら、それぞれのリスク分散については、面倒ではありますが、それぞれ一長一短ありますので、どちらかでデメリットが出ても、どちらかでメリットが出る等、総じて、順調に行きやすいものです。

又、色々なタイプのものを経験することにより、人脈も広がりますし、ノウハウも形成されていきます。

【まとめ】

リスク対策においての肝は、「リスク分散」です。

時期、資産運用対象、不動産会社(設計・施行・販売・仲介・管理会社)、金融機関、エリア、物件タイプ、資金調達方法等、分散させることです。

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【加藤隆コラム情報】

  • 健美家コラム『不動産投資で地獄を見た人の怖い話』

http://www.kenbiya.com/column/katota

  • マイナビ

http://chintai.mynavi.jp/chintaikeiei/superooya/detail_29.html

  • グランシャス㈱お役立ちコラム「現役最古参のサラリーマン大家の先輩コラム」

http://toushi.grancieux.co.jp/authers/auther-3

  • 加藤隆オフィシャルサイト

http://kt-taka.net/

 

 

 



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